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2.禁忌 (次の患者には投与しないこと)
- 2 . 1 投与部位に悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者[本剤が細胞増殖促進作用を有するため。][8 . 1、8 . 2、15 . 2 . 1参照]
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2 . 2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本剤は熱傷潰瘍を適用としているので、潰瘍がみられない熱傷に対しては、他の適切な療法を考慮すること。
- 添付溶解液1mL当たりトラフェルミン(遺伝子組換え)として100μgを用時溶解し、潰瘍面を清拭後、本剤専用の噴霧器を用い、1日1回、潰瘍の最大径が6cm以内の場合は、潰瘍面から約5cm離して5噴霧(トラフェルミン(遺伝子組換え)として30μg)する。潰瘍の最大径が6cmを超える場合は、薬剤が同一潰瘍面に5噴霧されるよう、潰瘍面から約5cm離して同様の操作を繰り返す。
- 7.1 1日投与量はトラフェルミン(遺伝子組換え)として1000μgを超えないこと。
- 7.2 本剤を約4週間投与しても潰瘍の大きさ(面積、深さ)又は症状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)の改善傾向が認められない場合は外科的療法等を考慮すること。[15.2.2参照]
- 8.1 本剤の使用開始に際しては必ず問診等を行い悪性腫瘍又はその既往について考慮すること。[2.1、8.2、9.1.1参照]
- 8.2 悪性腫瘍による難治性潰瘍の可能性のある患者については、事前に生検等により投与部位に悪性腫瘍のないことを確認すること。[2.1、8.1参照]
- 8.3 潰瘍の改善に伴って形成される新生肉芽は、刺激により新生血管が損傷し、出血するおそれがあるので、ガーゼの交換等の処置は十分注意して行うこと。
- 9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 投与部位以外に悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。
またその際には、使用開始に当たり患者又はそれに代わり得る適切な者に本剤の有効性及び危険性について十分に
説明した上で使用すること。本剤の血中移行性は低いが、細胞増殖促進作用を有する。[8.1、15.2.1、15.2.2参照]
- 9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
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2%未満 |
頻度不明 |
投与部位注) |
刺激感・疼痛 |
過剰肉芽組織、滲出液の増多 |
皮膚 |
発赤 |
発疹、接触皮膚炎、そう痒感、腫脹 |
肝臓 |
ALT上昇、AST上昇 |
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注)発現した場合には経過を観察しながら使用するが、症状が強い場合には投与を中止すること。
- 14.1 薬剤投与前の注意
- 14.1.1 本剤には抗菌作用はないので以下について注意すること。
(1)潰瘍面を清拭し、消毒又は洗浄した後、噴霧すること。
(2)感染があらわれた場合には、抗生物質を投与するなどの適切な処置を行い、経過を観察すること。
- 14.1.2 必要に応じ壊死組織を除去すること。
- 14.2 薬剤投与時の注意
- 14.2.1 投与時
(1)本噴霧器は、噴霧口の先端を潰瘍面より約5cmの距離から噴霧するとき、直径約6cmの円形状に薬剤が噴霧されるように設計されている。潰瘍面の大きさにより投与距離を加減しないこと。
(2)潰瘍が最大径6cmを超える場合は、薬剤が潰瘍面に均一に5噴霧されるよう、前に5噴霧した潰瘍部位にできるだけ重ならないように、潰瘍面から約5cmの距離を保ちながら、5噴霧を繰り返す。なお、周辺の正常皮膚に付着した薬剤は脱脂綿等で拭き取ること。
- 14.2.2 投与経路
眼科用に使用しないこと。
- 14.2.3 保存時
溶解後は10℃以下の冷暗所に保存し、2週間以内に使用すること。
- 15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 in vitro試験において一部のヒト腫瘍細胞の増殖促進作用、またin vivo試験において、一部のげっ歯類及びヒト腫瘍細胞の増殖促進作用、高転移能を有するマウスメラノーマ細胞の転移促進作用を示したとの報告がある。[2.1、9.1.1参照]
- 15.2.2 本剤はヒト型の蛋白質であり、動物を用いた長期のがん原性試験は抗体産生により実施できなかったため、それに代わる動物試験として、ヌードマウスを用いた15カ月間の反復皮下投与試験、中期発がん性試験(マウスを用いた皮膚2段階発がん性試験、ラットを用いた肝2段階発がん性試験)等、各種試験を実施したが、本剤の発がん性を示唆する所見は認められなかった。しかし、動物を用いた長期のがん原性試験自体は実施されていないこと及び本剤は細胞増殖促進作用を有し、悪性腫瘍発生の危険要因の可能性があることから、本剤を長期にわたって漫然と投与することがないよう注意すること。[7.2、9.1.1参照]
- 15.2.3 本剤を大量に反復皮下投与した動物実験(ラット:200μg/kg以上、イヌ:480μg/kg、サル:45μg/kg以上)において、腎臓の炎症性病変並びに尿蛋白及び尿中N -アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)の上昇がみられたとの報告がある。